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社員を巻きこむ経営指針づくり入門編

経営指針書は、
個々のパーツを作りこむことも大切ですが、
つねに全体の骨組みを意識することが大切。
図で説明しましょう。
中小企業家同友会全国協議会経営指針作成の手引きで、
いちばんはじめに出てくる図です。
経営指針成文化の枠組み
(1)
社員ひとりひとりが、
いま、なにをすべきかわかる。
(2)
明日に向かって、
なぜいまそれをするのかがわかる。
(3)
しかもそれは、
自分のやりたいこととかなり近いとわかる。
(4)
それをやって成果を出せば、
どんないいことが起こるかわかる。

──経営指針書がそんなふうにできていたら、
ほっといたって社員は巻きこまれてくれます。
経営指針書づくりに際しては、
ストーリー

意識しましょう。
というのも、
できあがった経営指針書をチェックさせていただくと、
前半と後半がバラバラで、
いったいなにが言いたいのか、
さっぱりわからないケースがものすごく多いからです。
これでは社員さんがシラけてしまうのも当然。
図では上から、
 理念 → 方針 → 計画
という流れになってますが、
実際の経営指針書では、
これがまえからうしろに流れます。
うず式カリキュラム まえのほうはマインド寄り。
うしろへいくほどアクション寄りと覚えてください。
理念を → 現実に
想いから → 実践へ
夢を → カタチに
計画は → 実行

どんな会社にしたいのか?
っていう経営者の想いからスタートして、
だからみんなこっち向いて進んでいくんだぞ~っ
っていう順番です。
それを数字であらわすとこんなもんじゃ!
っていう売上目標や利益目標がガツーンと次に続きます。
じゃあその想いや数値目標を、
いったいどんなふうに実現していくつもりか

っていう具体的な戦略の説明に入ります。
その中で、
自社の事業を明確に定義するとともに、
「自社の強み」について必ず触れる。
(図の中で「自社の経営力評価」の部分です。)
先に掲げた目標がじゅうぶん達成可能であることを
社員さんが理解できなければなりません。
その説明のために「外部環境分析」も入れてください。
(図では「経営環境分析」となっています。)
自分の会社に期待しているお客さんがどれくらいいて、
どんなライバルがいて、
地域や行政はどれくらい応援してくれそうか、
など、
全体の中での自分たちのポジションを社員さんに伝えます。
図ではまだ「経営方針」の途中なんですが、
ひとまず、
ここまでを前半としましょう。
前半で示した方向へ進んでいくにあたり、
どんな課題があるかを整理し、
後半で具体的に掘り下げていきます。
会社としてはそっちのほうへ進みたいんだけれども、
進めないかもしれない事情の数々
ですね。
経営課題の洗い出し
です。
いままで取り組んでこなかった言い訳みたいなもの?
ではないんですけど、
そのほうが書きやすいならそう考えてください。
はじめてつくる場合は、
課題を2つか3つに絞って並べてみるのがよいと思います。
で、次に、
その課題のそれぞれについて、
個別方針を述べていきます。
たとえば次の2つが経営課題だとします。
1)新商品「アキバーレ」の販路開拓
2)チェンマイ工場におけるワーカー確保

そうすると個別方針は
1)新商品「アキバーレ」の販路開拓についての個別方針
2)チェンマイ工場におけるワーカー確保についての個別方針

というように、
経営課題と個別方針をはっきり対応させたほうが断然スッキリします。
ここで出てくる課題については、
なぜこれが優先して取り組むべき課題なのか?
客観的に理解できるように、
経営指針書前半の経営方針(経営戦略を含む)の中で、
きちんと示されていなければなりません。
経営理念の中で「地域文化との融合」が謳われ、
前半の方針の中で、
さんざん「地域に密着した顧客サポートの強化」という方針を打ち出しておきながら、
経営課題の初っ端が「グローバリゼーションへの対応」だとするとどうです?
なにこれ?
指針書の前半にはグローバリゼーションの「グ」の字もないし、
輸出入にも関係ない会社で国際戦略も何もないってのに、
なんでイキナリ最優先課題がグローバリゼーションなのさ?
って、
社員はずっこけてしまいますね。
笑いごとではありません。
そんな経営指針書がほんとうに多いんですから。
自分のつくった経営指針書もそうなっているということに、
なぜか自分じゃ気づかないだけです。
さて(ё_ё)
前半部分と整合性のある個別方針が決まれば、
あとはそれを現場のリーダーに委ね、
行動計画を立ててもらいます。
戦略から戦術へ
ブレイクダウンしていくわけですね。
あー、ここで、
ブレイクダウンする
っていうのがキーワードになります。
あとで説明しますから覚えておいてください。
全社の数値目標についても、
それぞれの部門長がそれぞれの数値目標に落としこみます。
幹部社員が、
勝手な目標を上から押しつけられたと感じるか、
自分の部署ががんばれば組織に貢献できると感じるか、
そこ、
すごく肝心なポイントなんですけど、
それは経営指針書前半の想いがどこまで幹部に伝わっているかで決まります。
>この粗利の目標値はどこから出てきたか?
>部署Aと部署Bが統合されることになった、
>その理由はなにか?
>C工場の稼働率が異常に高く設定されている根拠は?

‥‥といったことのひとつひとつに、
経営指針書の前半部分が答えていなければなりません。
口で説明しろって言われたらできるんだけども、
活字にして文章で書くっていうのがむずかしいんだよ~!

‥‥って
おっしゃる気持ちもよくわかるんですが、
書いて記録に残すことにひとつの大きな意味があります。
経営指針成文化
とは、
あなたの約束することが、
証拠として社員の手元に残ることを意味しています。
口約束とはちがうってことです。
もちろん、
あなたがしゃべっているところを録画して、
DVDに入れて全社員に配布したとすれば同じことですが‥‥
カメラとマイクのまえで宣誓できますか?
作文が苦手だということを口実にして、
約束から逃げていませんか。
とにかく、
経営指針書は作成の過程で、
社員さんの意見によく耳を傾けましょう。
はじめてつくる経営指針書は、
どうしても社長のひとり芝居になりがち
です。
社員さんの参画率ゼロ
つくりきるだけで精いっぱいですからしかたがないんです。
ですからそれをいきなり大上段に振りかざし、
会社で大げさな発表会を開いたりしてはいけません。
幹部社員の半分が辞めてしまった
というような事態はここで起こります。
2年め、3年め‥‥と、
じわじわ社員の参画率を上げていくつもりで
腰を据えて取り組んでいただくのがよろしいかと。
 苦労して経営指針をつくったが、全社に浸透しないという悩みをよく聞きます。原因はいろいろありますが、典型的な原因として次の二つが考えられます。その一つは経営指針が経営者やごく一部の役員だけでつくられ、作成の過程で一般社員の声が反映されていないことです。今一つは、業務の忙しさにかまけて、トップから一般社員に至るまで、日常の仕事が経営指針との関連を見失っていることです。
 経営指針は今まで述べてきたように経営理念→経営方針・戦略→中期計画→単年度計画→部門計画→個人目標という一つの体系をなしているものですから、各個人の日常の仕事は必ず経営指針の中で位置づけて考えることができるはずです。またこの位置づけを意識的に行う必要があります。そうすることによってはじめて一人ひとりの社員は日常の仕事を通じて、経営指針を身につけることができるのです。中小企業家同友会全国協議会「経営指針作成の手引き」第五章より

体系という言葉が出てきますが、
ここ、
よろしいでしょうか。
自社の経営指針書が体系づけられているかどうか、
簡単にチェックする方法のひとつとして、
前半に出てきた魂のキーワードが、
後半に入っても反復しているかを見返してほしいんです。
経営理念ばっかり立派で、
それがけっきょくどんなふうに実現されていくのか、
よくわからない経営指針書があります。
事業承継を数年後に控えた二代目さんとかに特に多いんですが、
頭でっかち‥‥というか、
夢でっかち
なんですねε=( ̄。 ̄;)
経営課題を洗い出すところまでは進むが、
それを解決するための実行部隊が動いてくれず、
何年も同じ課題を引きずっている会社もたくさんあります。
DKDCシンドローム
ってごぞんじでしょうか?
経営指針書をつくってまもない会社の社員さんがほとんど感染するという、
恐ろしい症候群です。
わたしが発見してここで初めて発表しますから、
ごぞんじなくてあたりまえなんですけど‥‥
それはどんな状態か?
あるとき突然、
自分たちの社長が、
なにかに取り憑かれたように理念や事業ドメインを語り出し、
戦略策定だの組織再編成だのと妙にアツい。
どっかの変な宗教?
‥‥ではなさそうだ。
そんなとき、
感想を求められた社員さんたちは、
絶対に正直に答えることはないでしょうけども、
心の中はみなさん同じ。

だからけっきょくどうせえっちゅうねん?

思っているんです。
たとえば、
下請け体質を脱却するぞ!
っていう方針を100回聞かされたとしても、
それを朝礼で毎日唱和させられたとしても、
>わかったわかった、
>それはわかった。
>しかしなぁ、
>だからけっきょくどうせえっちゅうねん?

っていうふうに
心がシラけている。
だからどうするか、けっきょくどうするか、
それまで細かく言わないと行動に移れない。
>いや、そんなことない。
>あいつらは従業員や。
>こっちは給料を払って雇ってるんやから、
>社長がやれと言うことを粛々とやったらええ。

‥‥と
そんなふうに思われるかもしれせんが、
社員を巻きこめなかったら、 けっきょくしんどいのは社長のあなたです。
たとえ立派な理念や戦略があったとしても、
今日、たったいま、
なすべき行動が社員に浸透しないから成果が出せない状態を
DKDCシンドローム
と呼ぶのです。
※DKDC = (ダカラ)(ケッキョク)(ドウセエッ)(チュウネン)
そんなわけで
ブレイクダウンってやつが重要になってきます。
さきほどの図とよく似た図をもうひとつ見てください。
これも「経営指針作成の手引き」に載ってます。
経営指針づくりと目標管理
「部門計画」から「個人目標」に伸びている矢印、
ここがミソです。
理念だけでは社員は動けません。
「そのためにはどうすれば?」を突きつめる必要があるのです。
突きつめて突きつめて、
徹底的に突きつめた果てに、
「いま、ここで、あるいはこの次に 自分はどうすべきか?」

対する答が出てくるのです。
環境整備を徹底するように──

指示さえ出しておけば環境整備が進むと思うのは浅はかですよね?
浅はかでないとすれば
よっぽどいい会社にお勤めなんでしょうね。
そんな言い方じゃ通じないのがふつうと考えましょう。
あなたはこのひとことで30個くらいの習慣改善を求めているとします。
それによって1ヶ月で500個以上の行動が目に見えて変わると期待しています。
でも、
言われたほうの部下はDKDCシンドロームですから、
だからけっきょくどうせえっちゅうねん?
っていう疑問だけが頭の中をぐるぐるまわり、
愚痴ばっかり並べたあげく苦しまぎれに辞表を出してきます。
部下の、
与えられた目標を具体的行動に落としこむ能力
を考慮しながら、
かみくだいた個人目標を設定するスキルが
リーダー側の資質として欠かせません。
ブレイクダウンするとは、
細かく分解して具体化するというような意味です。
  • 誰がそれを実行するのか
  • どういうタイミングで実行するのか
  • どういう手順とステップで実行するのか
  • 失敗したときのフォローは誰がどのようにするのか
  • 報告はいつ誰にするのか
‥‥というようなところまでを、
部下ができないうちは上司がやってやらないとしかたがないのです。
しかしもし仮に、
うまくブレイクダウンできたとしても、
それだけでは「やらされ感」がまだ拭えませんね。
社員のひとりひとりについて、
なんのために仕事をするのか?

できるかぎり汲み取り、
社員さんが望んでいる目的地と、
会社の進む方向性を重ね合わせることです。
そこでストーリーなのです。
会社が潤うことと、
個人の生活が豊かになることが、
どんなふうにつながっているのか、
その絵を描いてあげなければなりません。
理屈で言いくるめられるレベルではないんですな、
こればっかりは。
想いが現実化するまでの
ロマンチックかつソロバンチックストーリー
が必要なんです。
会社にとっては、
理念を利益に変えるまでの流れが大切かもしれませんが、
ある社員さんにとっては、
マイホームを建ててしあわせな家庭を築くまでの流れのほうがもっと大切です。
その別々のストーリーが、
どんなふうにからみあって支え合っているかを、
ひとつのストーリーにまとめて語らせるものが経営指針書です。
5年後の組織と自分
というようなテーマを与えてみなさんで作文をしてみてはいかがでしょうか。
クラウド播磨王 わたしは、
他社の経営指針書を添削させていただくとき、
手に取ってまず前半の数ページをパラパラと眺めます。
次に、
真ん中を飛ばして後半の数ページをパラパラ眺める。
こういう飛ばし読みをしながら、
前半で出てきたキーワードが、
後半までつながっているかどうか
をチェックします。
それから、
会社の繁栄と個々の社員の幸福が、
ちゃんとリンクしているかどうか、
ベクトル合わせが意識されているかどうかという視点で読み返します。
理念だけは必死で考えたが、
数値計画がない‥‥とか、
個人目標まで手がまわらなくて、
社員さんの顔も名前も見えてこないとか‥‥。
ま、悲しいことに、
経営指針成文化セミナー受講者の、
半分以上がそのパターンですが、
そんなもんは経営指針書ではありません。
>経営指針書を10回つくったら、
>想い描いたとおりの経営ができる。


中小企業家同友会の代表理事さんから教わりました。
それってつまり逆にいえば、
10回くらいはつくってみないと、
なかなかサマにならない‥‥って意味なんでしょうね。
組織づくりのはじめに
心のベクトル合わせが必要なのだということを、
今日のお互いの学びとしましょう。

なんのために仕事をするのか?

社員に対して不信感が募るとき
や、
がっかりさせられたとき、
そもそもゲーム

やってみましょう。
たとえば今日、あなたが、
社員と口論になったとします。
仮に
資材部の平野さんが相手だったとしましょう。
あなたは納期遅れを問題にしていた。
平野さんにもう少し自覚と責任感があれば、
まにあうはずの納期だった。
けれど平野さんが口走った
>必要な薬品が届かなかったんだから、
>しかたがないじゃないですか。

の、ひとことに、
あなたはカチンと来てしまった。
おい、ちょっと待てよ。
こいつ、
何年オレの部下やってんだ?
しかたがないとはなんだ。
まにあいそうにないとわかったら、
その時点でオレに報告して他の部署に応援を頼むとかすれば
なんとかできたじゃないか。
それをボサッと見逃すとはいったいどういう‥‥
!!
いちどブチッと切れた心の線は、
なかなか戻らない。
責めて、責めて、責めて‥‥
叱られたほうも傷を負ったでしょうが、
怒ったあなたもしんどい。
はい、ここで、
そもそもゲームです。
ちょっと待てよ、
そもそも納期を守ることが大切なのはなぜだ?
納期に遅れるってことは、
会社どうしの約束を破るってことだ。
そんなことをしたら信用がなくなる。
いや、ちょっと待てよ、
信用が大事だってことはわかってるけど、
そもそもウチは信用されてるのか?
いやちょっと待てよ、
それじゃあまるで納期を守るのは自分のためのように聞こえるぞ。
約束の期日に材料が届かなくて困っているのはお客さまのほうだ。
そもそもこの材料はなにを作るためのものなんだろう?
今回の納期遅れでどのくらい相手方に被害が出るんだろう?
そもそも平野はそのへんのことをわかってたんだろうか?
いや、そもそも、
お客さまを大切にしなければっていう気持ちはあるんだろうか?
そもそも‥‥
そうなんです。
ほんとうに今回の納期遅れが、
取引先にどのくらい迷惑をかけて、
あなたの会社がどのくらい信用を落としたか、
そんなことはあなたはまだ調べてないわけです。
平野さんから詳しく事情を聞くこともしてない
そもそも、
平野さんがどんな気持ちで仕事に相対しているかに興味がない
そもそも社員と取引先とどっちが大切ですか?
納期が大事なのは百も承知で言いますが、
社員との信頼関係も大事です。
どっちがどれだけ大切かっていうことを、
きっちり決めてどっかに書いたものがありますか。
そもそも平野さんにとって、
この会社の存在ってどんなもんなんでしょうか?
そもそも仕事にやりがいを感じてないかもしれませんよね?
そもそもあなたは、
なんのために仕事をするのかってことを、
社員と本気で話しあったことがありますか?
‥‥とまぁ
こんな感じで、
目線をぐーっと上げていきます。
鳥になった気分で、
フッと舞い上がってください。
空から、
あなたのいる場所を見下ろしてみましょう。
そもそもあなたは、
なんのために会社を経営しているんですか。
いや、そんなことより、
そもそも平野さんは、
なんのためにあなたのいる会社に来て仕事をしているんでしょう。
会社なんて他にいくらでもあるんですがね。
事情はともかく、
そんなふうに社員を叱りとばすことで、
なにか物事が改善しますか。
天に向かって伸びるエスカレータに乗って、
上へ、上へ‥‥。
かなり高いところまで来ましたね。
そこから下界を見下ろしてください。
そこに自分の姿が見えますか。
平野さんと口論している、
あなた自身がそこにいますか。
あ、余談ですが、
要は大所高所から物事を見るってことなんですけど、
こんなふうに高いところから見下ろすときに、
自分自身の姿がそこに入っているか入ってないか
ちょっと意識してみてください。
よく「相手の立場で物事を考える」っていいますけど、
これは相手について考えるのとはちがいますよね。
相手の立場になると、
見えてくるのは自分自身の姿です。
相手の目線で相手が見ているものと同じ景色が見えてくるんです。
これは、
経営のスキルとは直接関係しませんが、
知っておくと経営にも断然いい影響の出る心のスキルです。
よく似たスキルがもうひとつ。
もうひとりの自分を見つけるスキルも、
身につけておかれるといいですよね。
はじめはむずかしくても、
だんだん習慣化していってください。
さて、
こんなふうに自分を高い位置へ運んでゆき、
マクロ的な視野で事象を眺めてみます。
売上が2倍だろうが3倍だろうが、
資産が1億あろうが100億あろうが、
人に恵まれなければどこまでも不幸‥‥。
小さいなぁ、自分‥‥
そんなふうに感じてきたら、
そもそもゲームの第一段階は成功。
相手に向いた意識、
目の前の現実に張りついた執着を、
スッと転換して別の方角へ飛ばしてしまう効果がおわかりいただけましたね。
なんのために仕事をするのか?
ときどきそういう根源的なそもそもを問いかけてみましょう。
社員に、
そして、自分自身に。
社員さんはそもそも、
なんのために仕事をしてくれているんだろうか?
それに対して自分は、あるいは会社は、
何をしてあげているんだろうか?
そもそも、
お金を稼ぐのはなんのためだ?
夢は何かな?
子どものころ、何になりたかった?
やってて楽しいこと、
いちばん好きなことってなんだ?
大切にしているものは?
キミとって家族ってなんだ?
5年後、10年後、
どんな人生を送りたいと思っているのかな?
そもそも、
どんな人間になりたいんだい?
‥‥L(・o・)」
どこまでもそもそもを突きつめる。
自慢じゃないですが、
わたしはそういう質問にパッと答えられるんです。
あなたの会社の「強み」は?
‥‥って急にきかれても即答できる。
これはやっぱり、
何回も経営指針書をつくって、
それで会社のPDCAをまわす習慣がついているおかげでしょう。
理念や方針を言葉にあらわして、
それを社員に伝えようと努力してきた結果だと思うんです。
12期からはじめた経営指針発表会もすでに5回。
毎年ゲストを招き、
かなりのプレッシャーを自らに課して経営指針を練ってます。
いま、なぜ、会社は、
そっちの方向へ進もうとしているのか?
社員だってアホじゃないんで、
社長が本気じゃなかったら見抜いてしまうでしょう。
そのかわり社員に向かって、
>楽しく仕事をするってどういうことだ?
とか、
>成果とはなんだ?
って、
こっちからも鋭く斬りこんでいきます。
>こんな安い月給で毎晩遅くまで残業させられて、
>なんか将来に希望あるんスカ?

な~んて、
世間知らずのこましゃくれた新入社員どもが、
口には出さずとも心の中でグチグチ言う季節です。
ほんとうは大企業に入りたかったくせに、
どこからも内定がもらえず、
しかたがなしに中小企業に入りました‥‥っていうヤツほど、
ふてくされた態度でしんどそうに会社に出てきます。
どこそこの商社に入った自分の友だちは、
何か月も研修ばっかりで仕事らしい仕事してないのに
そのくせ給料は自分よりめちゃくちゃ高いんですよぉ~
とか。
それがどうした?
‥‥ってことなんですけど、
そんな若ゾウどもにいちいちかかずらう必要ないでしょ。
日にち薬ってやつで時間が経てばわかる。
バッサリ斬るにもまだ早い。
2年か3年の後には、
やっぱり中小企業がよかったと実感するときがきます。
大きいとか小さいとかは問題じゃなかったと
しみじみわかるときがきます。
この会社に入ってほんとうによかったです!

言わせてみようじゃないですか。
そのためのそもそもです。
試しにひとつ、
いま書いてみましょうかw(゚o゚)w
はい、あなた、
「なんのために仕事をするのか?」
を、
200字くらいでまとめてみてください。
このサイトに来てこのページを開いてしまったのも何かの縁。
やるからには真剣にやりましょう。
はい、どうぞ。
書いたら今日の日付を入れておきましょうよね。
こんなふうに社員さんたちにも、
いろんなそもそもを書いてもらってください。
ひとりでも多くの社員さんから、
幹部社員は全員を対象に、
できるかぎりそもそも度の高い文章を集めて、
経営指針書に載せてしまうことをおすすめします。

行動目標を書かせている会社はたくさんありますが、
目的と手段の混乱に陥らないために
ときにはそもそも度を上げてやる必要があるんです。
だから年に1度の経営指針書を使って、
そのそもそも度の高い想いを活字にして残しておく。
何年かたってから見返すと、
ぜんぜんちがってたりしておもしろいですよ。
自己発見の宝庫になることまちがいなし。
それが後に
ものすごく大きなパワーの源泉になります。
そもそも度の低い行動目標を書かせるより、
社員の参画意識を高めることになるのはまちがいないですし、
そんな経営指針なら全社に浸透するのも早いですよ。
(≡^∇^≡)
経営者たるあなたは、
もっといろんな角度から、
自分を鍛えておく必要があるでしょうね。
経営指針書を全社的、定期的にブラッシュアップして、
行動計画に落としこんでPDCAをまわしていても、
それでもまだときどき混乱してよくわからなくなることがあります。
そういうのを「ブレる」っていうんでしょうけど、
ぐらぐらしない人はごく少数派なんです。
自主的社員ってどんな社員?
とか、
自立型企業ってどんな企業?
とか、
よく中小企業家同友会のバズテーマにも出てきますけど、
ちょっとちがう言葉で変化球を放られると、
たちまち答えられなくなったりします。
こんなふうに、
会社の中のいろんなそもそもを、
問いかけて問いかけて、
考えて、考えて、答え続けて、
文字に書いてぎっしり詰めこんだものが、
経営指針書であると言えるでしょう。
そもそもの突きあたりにあるものが経営指針書です。
じゃあそもそも
経営指針書はなんのために作るの(ё_ё)?

──その答も経営指針書の中に書いておくように。
こうすると少なくともアタマは楽になりますね。
自分だけじゃない。
職場で働くみんなのアタマが楽になる。
Q.
そもそもこれって、
なんのためにやってる仕事なんですか?

──ハイ、
答は経営指針書に書いてます。
Q.
友だちに「なんの仕事してるんだ?」ってきかれたら、
なんて答えたらいいですか?

──ハイ、
それも経営指針書に書いてます。
Q.
お客さんからのクレームで戻ってきたこの商品の補修は、
今日の計画には入ってませんけど、
残業させてでも先にやるべきですか?

──ハイ、
経営指針書にクレーム時の対応方法が書いてあります。
Q.
同じように毎日会社に来てるのに、
わたしの給料が同僚のAくんより低いのはなんでですか?

ハイ、
──まずは経営指針書の人事評価についての方針をよく読んでください。
Q.
わたしはなんでこんなに太っているんでしょう?

──はい?
さすがにそこまでは、
経営指針書を見ても載ってませんね。
いいでしょう。
社員ひとりひとりの生活を支えているのは会社なのに、
会社の外で起こっている個人生活まで干渉できないかもしれません。
でも、
そもそもゲームの習慣をシェアすることはできる。
究極のそもそも──
そもそも、
あなたがたはなんのために生きているのか?

と、
そう尋ねてみよう。
>自分の意思で生まれてきたわけじゃないのでぇ、
「なんのために」なんてきかれてもわかるわけないけどぉ、
>まわりもみんな生きてるんでぇ、
>なんかぁ、
>あたしも生きてかなきゃいけないのかな~っていう感じがしてぇ‥‥
>しかたがなしに生き続けているだけ。

L(・o・)」
そんなふうにシラッと答える若ゾウが実際にいるので、
びっくりしてしまいますけども、
よくよく考えてみたら、
わたしのまわりの二代目経営者さんにこれといくらも変わらないのがいるんだなぁ。
>わたしはぁ、
>親父がやってた商売をぉ、
>子どものころから継ぐのが当然だっていう空気で育てられたのでぇ、
>別に自分自身がこの仕事をしたいかしたくないかとか考えたことはなくってぇ、
>ただそれが宿命だと思ってやってますぅ‥‥

L(・o・)」
みたいな。
あなたはだいじょうぶですか?

戦略と戦術はどうちがうか?

よくきかれるし、
答えられないと恥ずかしいので整理しときます。
戦略戦術はどうちがうか。
「経営戦略」っていう言葉、
みなさんもよく使いますよね、
マーケティングで特によく出てきます。
戦略戦術もどちらも「戦」の字から始まることからも明らかなように、
戦っている人のための用語であり、
戦いに勝つためのものです。
戦略(strategy:ストラテジー)とは、
戦場に行かずに(戦場とは離れたところで)練るもの、
将軍が全体のことを考えて長期的な視野で組み立てるものです。
一方、
戦術(tactics:タクティクス)は戦地での行動様式をいいます。
戦場で血と汗を流す兵士の動かし方を規定する短期的な個別の作戦です。
──って、
う~ん‥‥
まじめに書いてみたがどうもおもしろくない。
これじゃあアタマに入りませんね。
社長が考えるのが戦略で、
工場長が考えるのが戦術だ。

と、
教えている先生もいた。
端的でわかりやすい。
大空を悠々と舞う鳥の目線で描くのが戦略で、
激流に流される魚の目線で考えるのが戦術

‥‥っていうのもオシャレでいいですよねぇ。
これはたったいま、
わたしが思いついたんですがね。
「しくみ」をつくるのが戦略で、
「しかけ」をつくるのが戦術
って説明することもあります。
ま、とにかく、
視点がマクロミクロかってことなんですが、
実際の現場で境界線があいまいです。
中小企業では、
ひとりの幹部社員がどっちもやってたりしますから。
だからこそすっきりわかる定義があればいいんですけど、
なかなか見あたりません。
中小企業家同友会全国協議会「経営指針作成の手引き」の中に、
「経営戦略とは」という章があるので、
そこから引用してみますと──
 たとえば知名度が低い、マーケットシェアが非常に低いという悪条件をそのままにしておいて、いくら営業マンの尻を叩いて「ガンバレ、ガンバレ」と叱咤激励しても効果がありません。効果が出るような条件をどのようにつくっていくか。どのようにしたら知名度を上げられるか。あるいは知名度が低いまま売上げを伸ばすには、どうすればよいか。これを考えるのが戦略なのです。
 戦略は「負けない体制」をつくることです。現在の条件の「壁」に働きかけ、これを有利な方向にもっていくことです。これに対し、「戦術」は与えられた条件のもとで「戦いに勝つ」ことを目的にしています。

──とまあこんな感じ。
これでもまだ定義としてはちょっと絞りきれませんね。
ちなみに‥‥
 同友会では「経営理念」「経営方針(ビジョン)」「経営計画」の三つを総称して「経営指針」といっています。このように「経営指針」を「理念」、「方針」、「計画」の三つに定式化しているところに同友会らしい特徴があります。

経営戦略は、
上記の3つのうち「経営方針(ビジョン)」の中に位置づけられています。
戦術の位置づけは「経営計画」の中の、
特に行動計画にあたるでしょうね。
(ё_ё)
ところでわたしは、
あまり「戦略」という言葉を使いません。
経営戦略という言い方をした時点で
すでに、
経営は戦いだ
という暗黙の前提があるわけですが、
わたしはなるべく戦いの概念を持ちこみたくない。
平和主義だから‥‥ではありません ┐(-。-;)┌
きっとわたしは、
平均的な日本人よりよっぽど血の気が多くて短気です。
いちおう過去形で言いますが、
負けん気が強すぎてケンカっ早かったんですね。
だから、
経営に「勝ち負け」を持ちこむとややこしい。
すぐにカッカしてしまって大局を見失う。
なので、
ある時期から対立軸を作らないことを心がけるようになりました。
知らん知らん。
どうぞご自由に‥‥って。
競合他社とか競合製品の存在を、
ふだんほとんど意識することがありません。
否応なく目に飛び込んでくることがあったとしても、
サッと流して忘れてしまいます。
競争入札とかコンペとかも、
基本的には参加しません。
もしお客さんのほうが詳しくて、
>あんたところのサービスより
>あっちのほうが安くて使いやすいよ。

って言われたとしても、
じゃあどうぞ、
ぜひいっぺんお試しになってくださいって感じで流します。
そうするとありがたいことに、
比較したりされたりすることがほとんどなくなりました。
実際にはあったとしても意識に上らないっていうか。
だれともどことも戦ってないんですから、
社員を戦力ととらえることもありません。
負けて悔しいなんていうこともない。
これは仕事の上だけのことではありません。
たとえば、
持病があって苦しい想いをしていても、
それを闘病とはいいません。
病気とだって闘わないんです。
お医者さんに任せてしまって忘れるか、
治らないもんなら仲良くつきあっていくことにする。
競わない。比べない。争わない。
戦わない。がんばらない。

そんな心の経営を実践する同志もチラホラ現れている今日このごろですから、
血なまぐさい言い方が好きでない方は、
はじめから「しくみ」「しかけ」のように使い分けてください。
ビジョン、コンセプト、アイデア‥‥、
ストーリー、プロット、シナリオ‥‥。
いろいろ言い換えの工夫をしてみましょう。
戦わずして勝つというよりも、
勝ち負けの概念自体が消えていく感じになります。
高血圧でお悩みの方にもおすすめかなb(⌒o⌒)d
「戦略策定」なんて言うかわりに「しくみづくり」と言ったほうが、
ゆとり世代の若者にもすんなり受け入れられそうですしね。
ああ‥‥ただし、
ゆとり世代のぼんやりした若ゾウ諸君は、
むしろもうちょっと勝ち負けを意識したほうがいいかもしれない。
もしキミが、
目の前のケンカやイジメを見て見ぬ振りするタイプなら、
>争いはダメだよ~
なんて言っても説得力がない。
平和な空間ばかりを探してぼんやり生きていけるほど、
ビジネスの現場は成熟してない。
意気地なく虎の威を借る狐になりさがるくらいなら、
牙を磨いたほうがいいかもしれない。

経営指針書の効能

親子の確執とか、兄弟で骨肉の争いとか、
親戚縁者のしがらみとか、
なんか暑苦しいですよね。
もめてる当人たちはいいとして、
それに巻きこまれた社員さんたちが気の毒です。
社長派だの専務派だの、
かかわってる業者もたいへんです。
田舎の名家にありがちなんですけど、
毎日いがみあいっているくらいなら、
とっとと出ていきゃいいのにって思いますね。
たとえ何億、何十億円を放棄してもですよ、
心にわずらわしいことがないほうがいい。
ああ、もっとも‥‥
中小零細の場合はお金がなさすぎて出て行けない
っていうケースが一般的でしょうか。
 自分が出ていく = 廃業で破産
で、
親の面倒をどっちがみるだのなんだの、
義務と我慢の押しつけあい‥‥。
ε=( ̄。 ̄;)
板金塗装屋さんのサクラ商事(仮称)の社長は
桜田さん(仮名)。
39歳。
専務は桜田さんのお兄さん(42)。
お父さん(69)が会長で
経理担当がお母さん(64)。
あと、
現場作業員の叔父さん(お父さんの弟)と、
その息子(つまりいとこ)を入れて社員はぜんぶで6人。
典型的な家族経営ってやつ。
親は古くて口達者、
いろいろめんどくさそうです…(;-_-;)
しかし業績は順調で週末もなかなか休めないほど多忙、
そろそろ人員を補充しないとなぁ~っていう状況。
社長は数年前まで、
会社の経営方針をめぐって、
お兄さんとケンカが絶えなかったと言います。
会議を開けばとにかく口論。
たとえば人事のことにしても、
母親には引退してもらって新しい社員を雇用したい社長に対して
専務は、
いとこの嫁にさせたらいいと言い張ります。
現場にも社員を増やしたい社長に対して
専務は、
アルバイトでいいと言い張る‥‥といった具合。
どっちがいいとか悪いとかではなく、
いちいち自分と対立する専務に社長は辟易。
なにかとボヤいてばかりの日々が続いていたそうな。
そんな折、
得意先の梅田社長(仮名)に勧められたことがきっかけで、
中小企業家同友会に入会、
経営指針書をつくろうと思い立ちます。
>つくっただけでは会社は変わらないよ。
という台詞は
はじめから何度も聞かされていました。
つくるからには実践すること。
経営指針書を土台にしてPDCAのサイクルをまわすこと。
月例のPDCA会議を設けたいという提案にも専務は反発しましたが、
梅田社長から説き伏せられてしぶしぶ協力してくれることに。
まじめな桜田社長が、
経営指針書を中心に会社をまわすようになって3年。
専務といがみあって週に10回以上ケンカばかりしていたのが、
経営指針書をつくってから口論が週1回に減ったのだとか。
こういう話、
よく聞くんです” “(/*^^*)/
経営指針書が会社経営に浸透してくると
目に見えてモメごとが減ると。
だって経営指針書に明記してあるんですからね。
こういうミスが起こったときは、
まず誰に連絡を入れる、
お客さまには何て説明する、
責任は誰にある、
その理由はなぜ、
自分はこのことは必ず守る、
そのかわりおまえはこれを‥‥

みたいなことがいちいち決めてある。
もし書いてなければ?
書き足す。
指針書をまとめるプロセスで、
役員や社員の意見をしっかり汲みあげて、
年に一度、
納得して成文化された以上はそれは尊重されるんです。
ひとりひとりの宣誓書ですから。
対立や口論の多い会社はむしろ、
経営指針を短期間で浸透させるには向いているかも
しれません。
自分の言いたいことが言えて議論に勝てるチャンスが増える
と、
お互いが思えたらいいので。
サクラ商事さんの場合は、
経営指針書が六法全書のような役割を果たしました。
新聞を読む順番と制限時間、工具の並べ方、
テレビのチャンネルを決める権利、トイレ掃除の担当、
無料で飲んでいい缶ジュースの1か月あたりの本数‥‥、
細かすぎるくらい細かいことがつらつらと大まじめに書かれたルールブックです。
誰がどんなケースでどう言ったか、
議事録、発言の記録集になっていたことも、
いがみあいを減らすことに抜群の効果がありました。
正論が通るように決着しないとしかたがないような風潮に、
だんだん変わってきた。
だからみなさんも、
六法全書のような経営指針書をつくりましょう
‥‥ってわけではありません。
会社によっては、
経営指針書が憲法のような格式の高い存在であったりもしますけど、
そういうのは会社の成熟度によって変化していいと思います。
A4サイズで20~30ページっていうのが、
まあいちばん典型的なスタイルかなと思いますが、
B5で10ページ、
絶対に守れることだけに絞ったコンパクトな経営指針書もあります。
ポケットにも入る手帳サイズで革表紙、
常時携帯を従業員に義務づけている会社もある。
とにかく日常的に、
>こういう場合はどうすることになってるんだ?
>経営指針書を持ってこい。

と、
しょっちゅう言いあってるのはすばらしいこと。
はじめは耳を貸すこともなかった会長も、
兄弟で話し合って決めた新しい経営理念を気に入ってくれているのだとか。
ベクトル合わせ
とは
そういうことだと思うんです。
だから、
つくる過程ではかなりしんどくても、
できてしまえば経営が楽になる。
目に見えない反発やすれ違いは目に見えるケンカ以上に減っているはずですしね、
経営指針書の目的や効果を端的に示す好例だと思います。

経営指針作成の手引き

経営についてのあれこれを学ぶなら、
中小企業家同友会
ってとこに
入会することをおすすめします。
日本全国どこの都道府県にもあり、
まぁだいたいは同じようなカリキュラムだと思います。
そして
経営指針書
ってもんの
つくり方を学ぶことをおすすめします。
自分がつくるだけではなしに、
大勢の経営者仲間がいっしょになって、
お互いにお互いの経営指針を切磋琢磨できるところが
中小企業家同友会のいいところ。
そのつくり方を具体的に学ぶ
「経営指針書成文化セミナー」は泊まりがけなんですが、
脳みそパンパンになりながら、
みんなでいっしょにメシ食ってフロ入って、
酒飲んでヘロヘロになりながら、
ほとんど徹夜の勢いで明け方までかかって経営指針書を仕上げていく。
自社の指針書をつくるだけでもすごく勉強になりますが、
そうやって他社の指針書づくりに数多く立ちあうことで、
さらに深い学びが得られる。
JC盛和塾なんかと比較して、
中小企業家同友会は会員のレベルが低いとおっしゃる方もおられますが、
別にいいじゃないですか。
来る者は拒まずって感じで、
味噌もクソもいっしょくたのごった煮で学ぶ。
このリトルリーグっぽいとこがわたしは好きですけどね、
こんなとこじゃないと続かなかったでしょうし。
何年商売をやっていても、
決算書が読めない経営者ってザラにいるんだ
ってわかって、
>あ~、
>自分だけじゃなかったんだぁ‥‥

と、
ちょっと安心したり。
中小企業家同友会では、
経営指針書をつくらずに会社を経営するなんてのは、
免許を持たずに車を運転するようなもの
だと言われます。
実際に作ってみて社員さんとベクトル合わせをやってみると、
その意味がよく飲みこめることでしょう。
同友会で学んだことを自社に持って帰って実践。
学んで実践、学んで実践‥‥

くりかえし。
そのくりかえしから自分なりの気づきが得られて、
また試行錯誤して‥‥
「経営指針作成の手引き」
という小冊子を、
中小企業家同友会全国協議会が発行しています。
60ページあまりの
ほんとうに薄っぺらい400円の冊子なんですが、
経営指針作成に必要なエッセンスが、
業種業態の枠を越えて最大公約数的にコンパクトにまとめられてます。
  • 第一章‥‥同友会らしい「経営指針」の確立、成文化の進め方
  • 第二章‥‥経営理念
  • 第三章‥‥経営方針
  • 第四章‥‥経営計画の策定
  • 第五章‥‥経営計画の実践とフォロー
  • 終章‥‥これからの中小企業

全体の構成はこんな感じ。
単純化すると──
指針 = 理念 + 方針 + 計画
なんですね。
ですから、
これから指針書を作成しようとされる方も、
この3つのバランスを踏まえて取り組まれるのがよいと思います。
わたしのサイトのこのセクションも、
なるべくこの冊子に沿って進めていくつもりです。
右手にロマン、左手にソロバン
っていう言葉があります。
理念 + 方針 + 計画

3つのバランスを意識する意味でもいい言葉ですよね。
わたしがこの言葉を初めて耳にしたのも同友会の例会でしたが、
そういえば同友会には、
>右手に労使見解!!

言い切る人もいてたりして。
おもろいですε=( ̄。 ̄;)
>数字がぜんぜんわかんな~い(@ε@)
って方、
ほんとうに多いです。
理念のところは瞳をキラキラ輝かせながら夢いっぱいで取り組むのに、
利益計画を作るところに来ると顔が青ざめてしまう‥‥。
できあがった経営指針書に売上総利益の見通しすらない‥{{{{(+_+)}}}}
‥‥なんて言語道断ヾ(☆o☆):
いますぐもよりの中小企業家同友会に電話して
経営指針成文化に真剣に取り組んでください。
同友会では
「経営理念」
「経営方針(ビジョン)」
「経営計画」
の三つを総称して「経営指針」といっています。
このように「経営指針」を
「理念」、「方針」、「計画」の三つに定式化しているところに
同友会らしい特徴があります。
 「経営理念」とは、
企業の目的とは何かを考え、
経営にあたっての根本的な考え方を明示するものです。
 「経営方針」は、
この理念に基づいて、
経営の基本的方向を確立することです。
時代の流れをするどく洞察し、
企業の事業機会を変化の中から見つけ出し、
自社の長所、短所を見きわめ、
長所を生かし、短所を改善し、
未来を切り開く目標とそれを達成するための戦略を明らかにします。
 「経営計画」は設定された目標と戦略にもとづき、
それを達成するための手段、方策、手順を具体的に策定するものです。
中小企業家同友会全国協議会「経営指針作成の手引き」より

よろしいでしょうか?
ちなみに、
>右手にロマン、左手にソロバン
という言葉、
もともとは「日本資本主義の父」といわれる渋沢栄一翁が
1926年(大正5年)に著した
「論語と算盤」

由来するらしい。
渋沢栄一翁(1840~1931)のことはもちろんご存じですね?
明治維新後、
大正初期にかけて活躍した日本の武士(幕臣)であり、官僚であり、実業家。
第一国立銀行のほか、東京ガス、東京海上火災保険、王子製紙、
日本郵船、秩父セメント、帝国ホテル、秩父鉄道、京阪電気鉄道、
東京証券取引所、キリンビール、サッポロビール、東洋紡績などなど、
500以上といわれる多種多様の企業の設立に関わったといわれています。
「道徳経済合一主義」を提唱し、
清廉潔白な経済人としての姿勢を貫いて多くの人々の尊敬を集めました。
じゃあ渋沢さんが「左手に論語、右手に算盤」と言ったかどうか?
そんなの韻も踏んでないし、
わたしは言ってないと思うけど、
>正しい道理の富でなければその富は永続することができない。
>論語と算盤という懸け離れたものを一致させる事が
>今日のきわめて大切な務めである。

とおっしゃったのは確かです。
フロックコートのポケットに、
小さな「論語」の本を入れていて、
ボロボロになるまで読み返していたそうなんです。
ロマンソロバンとのあいだの、
バランスの神さま
みたいな人だったのですね。
そう‥‥
むかしの日本にはグレイトなリーダーがたくさんいた。
その渋沢栄一翁の教えの中で、
特に有名な「夢7訓」というのがありますので、
最後に紹介しておきましょう。
夢なき者は理想なし
理想なき者は信念なし
信念なき者は計画なし
計画なき者は実行なし
実行なき者は成果なし
成果なき者は幸福なし
ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず
  **
一人ひとりに天の使命があり
その天命を楽しんで生きることが
処世上の第一要件である
渋沢栄一「夢7訓」