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理念と信念

あなたには素直に師匠と呼べる人はいますか。
一目置くライバル
とか、
心から尊敬できる先生
とか、
なにか行き詰まったときに、
教えを乞うことのできる存在。
いるならラッキー。
あるいは
あなたには座右の書があるか。
座右の銘でもいい。
何度も励まされたことのある好きな言葉とか。
しんどいときにいつも頭に浮かぶ歌のフレーズとか。
あるならラッキー。
人生でいちばん辛かった体験は何でしょう?
そのときの辛さに比べたら、
他の辛さなんて辛いうちに入らないほど、
むちゃくちゃに辛かった時期。
あったならラッキー。
──そういうのはぜんぶ、
自分の心がブレないための礎になります。
ほんとうは自分の人生体験から掴めたらいちばんいい。
100%オリジナルな自分だけの大切な想いがあるのがいちばんいい。
絶対的な中心感覚を自分に与えてくれるもの、
強さの源泉です。
自分の人生体験からそれを得るためには、
かなり特殊な体験が必要でしょう。
素振りしたり走りこんだりしないと肉体の筋肉が鍛えられないのと同じ。
質的にも量的にも尋常ではない体験に揉まれないと、
心の筋肉が鍛えられることはありません。
同じ体験でも、
へたをすると心が肉離れを起こしたり心の半月板が損傷したりしますので、
やはり一定の基礎体力が必要です。
箱庭の中で計画的に餌付けされて育ったような養殖人間は、
もう中小零細企業の手には負えません。
そのまま計画どおりの豊かな老後を楽しんでいただくしかないでしょう。
かつて死にたいほど辛いと感じた体験が、
いまでは己の柱になったということが、
しばしば起こるのが人生です。
そんな心の柱がある人もない人も、
自社の経営理念を徹底的に磨くため、
究極の自問自答をやってみましょう。
あなたはいったい、
なんのためだったら命を懸けられるか?

答は誰にも言う必要はありません。
これは自問自答ですから。
自分にだけこっそり、
だけど100%正直に答えてください。
答えられたらラッキー。
(ё_ё)
あなたの愛する家族のひとりが、
治療不能の難病に冒されて余命半年と宣告された。
ある日、
悪魔が地上に舞い降りて、
あなたの命と引き換えなら、
その病気を治してやる
という。
あなたは自分の命を悪魔に捧げられるか。
腎臓のひとつやふたつなら差し出しても惜しくないあなたでも、
さすがに命を取られるとなるとどうだろう?
>娘の命を助けるためなら、
>自分の命なんて惜しくない!

‥‥ですよね。
でももしそれが、
おとうさんの命だったらどうです?
>えっと‥‥
>父はもう71だし、
>難病じゃなかったとしてもどうせ長くはないし、
>せっかく保険も積み立ててる。
>それに、
>わたしが死んだら子どもたちは誰が育てるのか?
>ってなわけですからスンマセン。
>おやじの命、
>持ってってください。

‥‥みたいな。
かなり不謹慎な例題になってしまったが、
ばかばかしいと思わずに、
たまには突きつめて考えてみませんか。
いったい何のためならば、
あなたは、
何の見返りも求めず、
自分の命が燃え尽きるほどに、
全細胞を煮えたぎらせることができるのか。
過去にひとつでも、
自分が死にもの狂いで食らいついたものがあるか。
ないか。
──すべては、
自分の心をブレさせないための整理です。
さとりが必要な理由もまた、
とどのつまりが自分の心をブレさせないため、
というところに収束するのかもしれません。
使命
というコトバは「命」「使う」と書きます。
やっぱりね、
「まさか」というときにもブレない強い心をつくるには、
命と向きあうところまで突きつめておく必要があるんじゃないですか。
わが命を賭してまで守りたいものは何か。
そんなもんが3つも4つもあったりしませんよ。
5つも6つもあるっていうならそれはきっとウソですよ。
政治家ならそれでもいいかもしれないが
中小企業家はダメ。
どうですか。
>命がけでやれよ!

上司が発破をかける。
>はい、
>死ぬ気でがんばります!


部下が応じる。
ま、
言葉のアヤってもんですから、
あなたの会社が毎朝そんな調子だったとしてもちっともかまわないんですけども、
とか死ぬとか、
そういう単語を軽々しく口にするのはいかがなもんでしょうね。
>おまえ、
>あしたほんとうに死ぬんだよ。


告げられて、
>あ、そうですか。
>短いあいだでしたがお世話になりました。

と、
平然と答えられるか。
答えられるならラッキー。
(ё_ё)
経営理念を成文化するまえに、
あなた個人の信念を顧みてください。
信念
って、
なんなんでしょう。
「経営理念」という言葉はあっても「経営信念」とは言いませんもんね。
理念はみんなのもの。
信念はひとりひとりのもの。

理念は外にあって向かっていくもの。
信念は内にあって己を理想へと向かわせてくれるもの。

理念はこれから実現される理想的境地を含んでいるが、
信念はすでに固められた確定的な想いのみ。

──ざっくりコントラストをつけてみますと、
まぁこんなところでしょうか。
理念は組織のもので信念は個人のもの
といっても、
「わたしたちの信念」という表現はまちがいではないし、
日本語として意味を成します。
ですがただし、
信念の共有と理念の共有とでは重みも深みもちがうんですね。
経営理念に信念をこめてください。
ごまかせない何かです。
そうでないと、
意味はわかるがちっとも響かない経営理念になってしまいます。
(ё_ё)
イナゴ食品(仮称)の北川さん(仮名/38歳)は、
創業100年を超える老舗の四代目社長。
中小企業家同友会が主催する今期の経営指針成文化セミナーに参加、
うんうん唸りながら悩みに悩んだ末に、
ようやく第一号の経営指針書を完成させた。
イナゴ食品にはこの100年間、
理念らしいものはなかったという。
四代目の若社長が、
一世紀に及ぶ社歴の重みを一身に背負って作った経営理念がこれ──
私たちは食品を通じて、
人びとの幸せな生活を追求し、
お客さまを笑顔にします。
私たちは食品を通じて
安心で明るい街づくりに貢献し、
地域社会を笑顔にします。
私たちは食品を通じて、
共に学び、助け合う環境を目指し、
社員とその家族を笑顔にします。

──なのですが、
なんというか、その‥‥
響かない。
体裁はまとまっているし、
字ヅラは悪くないのだが、
どうにもこうにも
おもしろくない。
いや、そもそも経営理念なんてもんは、
会社の目指す理想形が描かれるものなんだから、
おもしろいとかおもしろくないという次元の話じゃないでしょ
って言われりゃそれまでですが、
わたしとしてはこんなんで終わってほしくない。
北川さんのパーソナリティを知っているからよけい、
口出しせずにはおられない。
(ё_ё)
おもしろくないですね、これ。

そうですよね。

わかってらっしゃる?

ええ、まあ。
10回くらい書き直してるうちに、
なにがなんだかわからなくなって、
頭が煮詰まってる感じで。

「笑顔」っていう単語、
3回もリピートしてますけど、
よっぽど愛着のある言葉なんでしょうね。

ええまあ、
仕事を通じてまわりを笑顔にする
っていうのが基本にありますから。

「笑顔」がいちばんですか。

え?

「笑顔」以上に自分にとって
大切なものはないかという質問です。

笑顔にすべて集約されるんじゃないかと思ってます。
食品っていうのは人間の健康や命に、
いちばんダイレクトに関わるもんなんで。

そのくせ
「健康」「命」も入ってませんが?

だから、
そういうのもみんな、
「笑顔」に集約されるかな、と。

集約っていうのもわかるんですけど、
平たくまとまりすぎてませんかね。

どういう意味でしょう?

「みんなを笑顔にする」なんて、
誰でも言えますよ。
これから独立するっていう青二才の若ゾウにだって
書けてしまう文章です。

誰にでも伝わるような表現を考えていたら、
こうなってしまいました。

「明るい街づくり」もですか?

地域貢献の意識も大切だと思って。

実際に何か取り組みをされてますか。

まぁそうですね、
年末の餅つき大会とかですけど。

そこに譲れない何かがあるんでしょうか。

いえ、
そこまでの想いはありません。

じゃあ外してください。

え?

深いこだわりがないなら、
そんな言葉は経営理念に入れないほうがいい。

でも、
会社としては地域貢献も必要でしょう。

だからといって
魂の抜け殻みたいなきれいごとを並べてもしょうがないし、
少なくとも
自分に響かないなら言わないほうがマシです。

そんなもんでしょうか。

中小企業ですからね、
経営者自身が入りこめないような理念なんて、
役に立ちませんわ。
あるていど個人的な信念と重なるようにせんとね。

個人的な想いなんて、
入れたらあかんと思ってましたが。

あなた自身がこれで納得だというなら、
この経営理念でも満点なんですけど、
どうやらそんな感じじゃないじゃないですか。
社長のあんたが首をかしげてる。
そんなんで会社がまとまりますか?
創業者の想いもぜんぜん感じられませんが。

親子の会話もあまりないくらいなので。
100年も昔の創業のことは何も知りません。

でもね、
精神的な支柱がひとつもない会社が、
100年も続くとは思えませんのでね、
なんかあるでしょ、
それとなく昔から伝わっている社訓とか。

ああ、たしかに、
経営理念というかたちのものはありませんが、
社訓ならあります。
何代目からのものかわかりませんが、
ずっと応接室に書が飾ってあります。

どんなんです?

はい、
>財を遺すは下 業を遺すは中 人を遺すは上
っていうやつです。
これなら社員もみんな知ってます。

いいじゃないですか。
後藤新平っていう人の有名な言葉ですよね。
短いけど響きます。
あなたはこれ、
どう思ってるんです?

ぼくも好きです。
っていうか、
子どものころから何回も聞いていて、
身に染みているというか‥‥、
自宅の応接間にも別の掛け軸に同じことが書いてあって、
なんせ子どものころからずっと見てましたし、
そういえば、
じいさんも父も口癖みたいによく言ってましたし。

そこ、
すごいヒントですよ。

はい、
ぼくもいま、
ちょっと気がつきました

「人を遺すは上」という言葉と、
「共に学び、助け合う」という言葉、
どっちが響きます?

それはもちろん「人を遺すは上」のほうですが。

だったら
「共に学び、助け合う」も抜きましょう。

どんどん壊れていきますね、
せっかくつくった理念が。

想いがこもってないんだからしょうがないでしょ。
あなた自身にはなにか、
座右の銘とかあるんですか。

ないです。
しいて挙げるならさっきの言葉です。

もっと他にヒントないですか。
おじいさんでもひいおじいさんでもいいんで、
崇拝していた人とかモノとか。

あ、
思い出しました。
ありましたわ、座右の銘が。

なんです?

しょくそくせへいしょくそういせい
びけんけんしょくしょくい‥‥

え?
なんなんです?

安藤百福(あんどうももふく)っていう、
カップヌードルやチキンラーメンを発明した人です。
これ、
日清食品さんの経営理念なんです。
安藤百福さんはうちのじいさんと同じ年の生まれなんですが、
この言葉もずーっと社内で伝わってて浸透してるんです。

ちょっと待ってくださいよ、
いま、ネットで調べますから。

規模はぜんぜんちがいますけど、
会社の名前に「食品」がつくんで、
すごく意識してるんですが、
読むたびにシビれるっていうか、
最高の経営理念だと思います。

あー、出てきました、
日清食品の経営理念
これですね。
食足世平(しょくそくせへい)
「食が足りてこそ世の中が平和になる」
食創為世(しょくそういせい)
「世の中のために食を創造する」
美健賢食(びけんけんしょく)
「美しく健康な身体は賢い食生活から」
食為聖職(しょくいせいしょく)
「食の仕事は聖職である」
‥‥なるほど、
おまじないかなんかかと思ったらそうじゃなしに、
すごいパワーのある言葉ですね。

でしょ。
こんなの、物質的に豊かすぎるぼくらには考えつきませんよ。

そりゃそうですわなぁ。
読むたびにシビれるくらい好きだってことは、
よっぽど響いているわけなので、
そこを目指そうというモチベーションは高いんですよね。

もちろんです。

じゃあパクりましょう

え?

偉大な先人からスピリッツをいただくんです。

いいんですか。

いいに決まってるやないですか。
百福さんだって、
また別の先人からちょっとパクってるかもしれへんのやし、
そんなことで誰も怒ったりしませんわ。
それに、
丸ごとパクろうっちゅうんとちゃいますよ。
日清食品さんのこの経営理念のうち、
特に響くところはどこかっていうんです。

いちばん感動するのは
「食の仕事は聖職である」
っていうところなんですけど、
真似したいとすれば「美健賢食」のほうですね。
「賢い食生活」というフレーズがとにかく好きで。

それですやん、それ。
だったら「賢い食生活」を入れるんです。
そのほうが心が引き締まるんでしょ。

はい、
おっしゃるとおり。

しかもそれはあなただけじゃなしに、
他の社員さんにも響くわけですよね。

そうです。
みんな知ってますから。

「食品を通じて人びとの幸せな生活を」
とかいうより、
「かしこい食生活をご提案」
みたいなほうがええ感じなんですよね。

めっちゃいいですね。
あ、
ちょっと待ってくださいよ。
かしこい‥‥ですよね。
「かしこい食生活ご提案業」って、
なんかそのまま自社事業定義にも使えそうな気がしてきました。

なるほど。
じゃあ変えちゃいますよ。

変えちゃってください。

(ё_ё)
イナゴ食品さんの元の理念案は、
テンプレートとしてはよくできてます。
試しに原文の「食品」っていうところをブランクにしてみましょう。
私たちは___を通じて、
人びとの幸せな生活を追求し、
お客さまを笑顔にします。
私たちは___を通じて
安心で明るい街づくりに貢献し、
地域社会を笑顔にします。
私たちは___を通じて、
共に学び、助け合う環境を目指し、
社員とその家族を笑顔にします。

ね、
わかりますよね。
このブランクのところに、
「花」でも「ガス」でも「家具」でも「医療」でも、
適当な商材名を放りこむと
どんな業種の経営理念も即席でできてしまう。
どこの会社にも当てはまるオールマイティなひな形です。
そんなあたりさわりがなさすぎる文言にパワーが宿るかってことを、
ちょっと考えてほしい。
「幸せ」とか「笑顔」とか、
ここには入ってないけど「夢」とか「感謝」とか、
「安全」とか「安心」とか「最高」とか、
きれいな言葉を散りばめたらそれでいいかっていうと、
ぜんぜんそんなことはないんです。
あなたにしか語れないオリジナルな言いまわし

引き出してみましょうよ。
あなたが積み上げてきたもの、
通ってきたルート、
親父さんなり爺さんなりが残してくれたもの、
他の人には見えないがあなたには見えるもの、
そういうものを整理してみてほしいんです。
二度とふりかえりたくない辛い過去の中に、
えてして、
大切なメッセージが眠っていることがあるってことを、
くれぐれも忘れずに。
ブレないっていうのはすばらしいことなんです。
パワーが全開できてめちゃくちゃ楽。
燃費のいい小型車みたいなもんで、
けっきょく図体だけデカい車よりも長く走れる。
自分の信念(っぽいもの)をそのまま経営理念にしてしまえたわたしは、
めちゃくちゃラッキーなしあわせ者。
そんなふうに考えると、
この汚いツラも伊達ではないなと思うんです。
ずいぶん踏まれたり叩かれたりタワシで擦られたりしたおかげで、
いまじゃ泥をかぶっても毒を打たれてもブレません。
どこからどこまでが顔でどこまでが泥だかわからないくらい、
汚れても汚れても平気の平左衛門。
たいていの毒には免疫ができてますし。
(ё_ё)
さあいよいよ、
今年も残すところわずか。
当社は第16期が終わります。
アベノミクスの恩恵もあって、
数字の心配をせずにすんだ1年でした。
MG(マネジメントゲーム)でいうところの次繰り(じくり)もできた。
自己資本比率は60%を超すところまで戻ったのではないかな。
おかげさまで仕事は慢性的にオーバーフロー気味。
社員はかなりたいへんでしたけど、
なんだかんだいっても、
数字さえ悪くなければ経営者は気が楽です。
やっぱりいいですよね、増収増益ってのは。
カタカナで大きく書くと──
ゾウ・シュウ・ゾウ・エキ (≡^∇^≡)
──これで当社の黒字は11期連続となります。
これはつまり、
中小企業家同友会に入会させてもらった2003年から
いっぺんも赤字になってないってことでして、
もしかして模範会員?
──いや、冗談です。
来春には新卒採用の2名が入ってきて、
ジジイがせっかく築いた秩序を引っ掻きまわしてくれることでしょう。
ありがたや~

経営理念のつくり方

経営理念を「つくる」っていう言い方が、
ハナっからどうもしっくりこない方があるかもしれませんね。
わたしが実はそうなんですけど(。・・。)
理念なんていうものは、
心の内側から湧いてくるもののように思うので、
「見つける」とか「感じとる」

表現したほうが理解しやすいのでは?
見つけよう(ё_ё)
感じとろう(ё_ё)

していると、
これまでの人生をひっくるめて、
自分自身が大切にしてきた言葉がピッと降ってきたりします。
シュッと
ピピッと
ですね。
それは、
単語であったり、フレーズであったり、
なにか、
自分の内側であふれそうになる想いを、
短く、鋭く、
言い当ててくれているような言葉に出くわすことがあるんです。
お風呂に入っているときとか、
散歩しているときとか、
ちょっと意識して受け取ろうとしてみてください。
w(゚o゚)w
どうでしょう?
(きずな)
っていう言葉が降ってきました?
あ~
2011年「今年の漢字」ですね(。・・。)
いいでしょうb(⌒o⌒)d
そしたらその1文字を中心に、
自分の想いを言葉として組み立ててみるんです。
簡単ですよね?
え?
短すぎる?
いいんですb(⌒o⌒)d
経営理念とは何か、
その位置づけは何だったか、
もういちど考えてみてください。
会社の精神的なよりどころとなるものですよね。
あなた自身のよりどころであり、
社員さんたちにとってのよりどころでもある。
短くっても、
心にズーンと響いてくるものならいい。
「なんか変かな?」とか考えて、
安易によその会社のマネをする必要はまったくない。
経営理念とは組織存立のよりどころ
そこが他人のものまねじゃ寂しいじゃないですか。
ただね、
それとは正反対のことを言うようなんですけども、
ビシッとしっくりくる言葉が降ってこない
‥‥とかね、
そもそも自分の想いが整理できない
‥‥とか、
そういう方も多いと思うんです。
そういう場合の手助けになるのが、
経営指針作成の手引きにある「経営理念作成シート」(^▽^)/
経営理念のつくり方が書いてあります。
さすが中小企業家同友会(^▽^)/
はじめは頭の中に霧がかかっている状態でも、
だんだんとそれが晴れてくるようにできてます。
まずは次の6項目の質問をご覧ください。
(1)何のために経営をしているのか
(2)わが社の固有の役割は何か
(3)大切にしている価値観、人生観
(4)顧客、取引先、仕入先に対する基本姿勢
(5)社員に対する基本姿勢
(6)地域社会や環境に対する基本姿勢
「経営指針作成の手引」より

これらの問いかけに真摯に向きあって、
自分なりの言葉で答えようと努力しているうちに、
魂の言語
が降ってくるかもしれません。
きっと見つかります。
ただ、はじめはね、
やっぱりむずかしいらしいです。
一発で決まる人もおられますけどもね、
詩的なセンスがある方とそうでない方、
器用な方とそうでない方、
が、
あるようです。
詩的なセンスもないし、
器用でもないという方は、
とりあえずテンプレートに頼ってみましょう。
テンプレート(。・・。)?
ひな形のことですね(≡^∇^≡)
見つけるにしても感じとるにしても、
足がかりになる基本的な理解がないと気づきが伴わないでしょうから、
便宜上のフォーマットとして、
以下の文型を活用してみてください。
{  }で囲まれたところに、
貴社の名前や商品・サービス、
心に浮かんでくる目的で該当するものを放りこんでみてください。
たしかに味気ない作業です。
でもね、
答えていくうちに、
いやでも自社の強みや弱みと向きあわざるをえなくなりますから。
いいトレーニングですよ。
▽目的理念
{わたしたち・わが社}は、
  {サービス・商品・技術}を通じて、
    {マーケット}のお役に立ちます。
    {顧客満足}に貢献します。
    {不安解消}を実現します。
▽行動理念
{わたしたち・わが社}は、
  {判断基準・行動基準}
    を大切にして、
    の心で、
    を忘れずに、
      {サービスの内容・品質・モットー}
        を目指します。
        に取り組みます。
▽福祉理念
{わたしたち・わが社}は、
  {社員・スタッフ}
    {幸せ・豊かさ・成長}
      を追求します。
      を実現します。
以上、
目的理念、行動理念、福祉理念の3つの文章が揃ったら、
それが経営理念の基本形と考えてよろしい。
▽目的理念の作文例
われわれパラドキシカル鉄工所は、
鉄を知り、鉄を愛する職人魂で、
強い日本のモノづくりを世界に広めます。

▽行動理念の作文例
われわれパラドキシカル鉄工所は、
鉄の品質、鉄のコスト、鉄の納期を最適化し、
お客さまの満足度ナンバーワンを達成します。

▽福祉理念の作文例
われわれパラドキシカル鉄工所は、
鉄で結ばれた従業員とその家族の福利厚生を第一に、
笑顔あふれる職場をつくります。

──ほんまに味気ないですけど、
ひとまずこんな感じでいいんです。
それを仲間の経営者に聞いてもらったり、
社員に見せたりして、
感想や意見を集めてみてください。
そういうことがすぐできるのも、
中小企業家同友会のいいところ。
違和感が湧いたら修正したらいいんです。
はじめから完ぺきなものをつくろうとしたら、
なかなか次へ進めませんのでね。
ちなみに、
>経営理念って変えてもいいんですか?
っていう質問がよくあるんですけど、
変えていいですよ。
あなたの心の成熟度にしたがって、
あるいは、
あなたの会社の魂の成長に合わせて、
そのときどきでピッタリしっくりあてはまるように、
変えていったらいいんです。
二代目が事業承継したとたん
先代の経営理念をガラッと変えちゃった

‥‥みたいなことはあまり感心しませんが、
ま、
ケースバイケースなんでしょうけど、
とにかく変えてはいけないということではありません。
むしろ5年に1回くらいは見直したほうがいいとも言える。
軸はブレないほうがいいですけども。
最初は便宜上、
型にはまってやってみるだけのことです。
同じことが経営指針書全般についても言えます。
まずは型にはめてでもいいから作ってみる。
できそこないのものをあえて見てもらう。
進化させ続けていくところに意味があると思いますよ。
社長の開眼

組織のよりどころ

「理念」「ミッション」って
どうちがうの?

という質問、
よくきかれます。
他にも、
「社是」とか「ビジョン」とか、
最近では「クレド」とか、
企業が社員や社会に対して示しているものの種類が
いろいろ多すぎて混乱する方がおられるようです。
今回のテーマをひとことで表すと、
組織のよりどころです。
拠って立つ価値観のこと。
組織を迷わせない行動選択の基準です。
スタイルや型にとらわれず、
ほんとうに心に響く言葉やフレーズを選べばいいのですが、
経営理念ミッションといったよりどころの類を、
どんなふうに表現したらいいかわからない方がたくさんおられまして、
ひとまず
それをカタチにするための便宜上の足がかりが必要でしょうから、
少し解説をしてみましょう。
(≡^∇^≡)
まず経営理念
ごちゃごちゃ迷いたくない方は、
何はなくともこの経営理念という枠組みに想いをこめてください。
中小企業家同友会の経営指針づくりにおいても、
根幹をなすものは経営理念であり、
経営理念の確立がすべての始まりとされています。
はじめに経営理念ありき

いいと思います。
これとは別に、
社是やらミッションやらビジョンを掲げるにしても、
とにかく相互に矛盾しないことが絶対条件です。
経営理念を社長がつくってミッションを専務がつくったら、
正反対のことが書いてあった‥‥
みたいな、
笑えないジョークにならないように。
(≡^∇^≡)
社是っていうのは、
文字どおり「会社が是(=正しい)とする考え方」のこと。
「かくあるべし」っていう言いつけですから、
おのずと短くキャッチコピーみたいなのが多くなります。
あまりソフトでやわらかいものは、
社是と呼ぶにはふさわしくないので、
そういうのをモットーと呼んでもいいかもしれません。
>え?
>これ、どっかで聞いたような商品名ですて?
>いやぁ、気のせいだと思いますけどね。
>実は、TTP、
>すなわち「徹底的にパクる」っつーのが、
>わが社のモットーでしてね。

みたいに、
日常的にサラッと口に出しやすいかわりに、
重みに欠ける響きがなきにしもあらずです。
このように、
社是やらモットーは短いものが一般的なのですが、
一般的だというだけで、
別に文字数に制限があるわけではありません。
それに、
経営理念が長くなければいけないという決まりもありません。
「愛こそすべて」
のような短いフレーズを、
創業者が経営理念だと言えばそれが経営理念です。
たとえどっかからパクってきたフレーズであっても、
ちっともかまいません。
社是だと決めればそれが社是
モットーだと言えばモットーです。
勝手なんですね (ё_ё)
ではミッションは?
日本語では「使命」とか「役割」
達成すべき状態のことですね。
根っこにくる経営理念を踏まえたうえで、
企業が社会に対してどんな貢献を果たしていくか、
それを約束事として表明したものがミッションだといえます。
経営理念は特に成文化してないけど、
ミッションは掲げているという企業もたくさんあります。
それも自由なんです。
ミッション理念がついてくるのも確かですから。
大きなちがいとして、
ミッション「外」に向けて表明することが前提になっています。
社会に対して約束するわけです。
経営理念も昨今では、
ミッションを含むような内容にして、
積極的に外部に向けて発信しようという流れになってきています。
>最高の技術を追求するんだ!
と、
あなたいくら声高に叫んだところで、
>だからなに?
>それでけっきょく社会のなにがどう良くなるっていうのヨ?

と、
シビアに突っこまれてしまいます。
それだけ消費者(市民)の立場が強くなってるってことなんでしょう。
(≡^∇^≡)
次にビジョンですが、
日本語でいうと「将来展望」のことで、
これからどうする、これからどうなる、っていう見込みを、
5年、10年という中長期にわたって内外に示すためのものです。
ここには理念ミッションがすべて織り込まれているはずで、
しかも、
精神論にかたよりがちな理念ミッション
視覚的に補完する具体性が求められます。
そしてビジョンもまた、
外部に向けて広く告知することの重要性が高まっています。
>だからさぁ、
>それでけっきょく社会がどんなふうに変わるか
>ってきいてんだヨォ。

って、
パワーをもった消費者が説明を求めているんです。
説明を求めているのは消費者だけではありませんね。
>理念とかミッションとか、
>寝言みたいな能書きはいりませんので、
>要するにナンボ売ってナンボ儲かるか、
>明快な数字を示してください。

って、
銀行さんに叱られた経験ありませんかね?
(≡^∇^≡)
さあ、
そこで出てくるのがコミットメントという言葉。
日産自動車のカルロス・ゴーンさんがきっかけとなり、
「必達目標」という意味で広く知られるようになった単語ですが、
ビジョンよりもさらに具体的な「公約」「誓約」「約束」などを意味します。
いわばビジョンっていうのは、
>これからこういうふうになりますからね~っ、
>お楽しみにねぇ~

くらいの希望的観測を含んでいるのに対して、
コミットメントは、
>必ずこうしてみせる。
>ダメだったら腹を切る。

くらいの
強い覚悟がこめられたものといえます。
腹を切りたくないならコミットメントなんて発表してはいけません。
それは自爆行為です。
そこらへんのバランス感覚、
大事にしてくださいナ。
(≡^∇^≡)
さて、
最後はクレドです。
クレド(Credo)とは、
「信条」「志」「約束」を意味するラテン語ですから、
けっきょく理念やミッションと同じだ
という解釈でもいいのですが、
よりどころとなる価値観や行動規範を簡潔に表現した文言
‥‥というよりも、
その文言を記したカード等のツールを指しています。
ザ・リッツ・カールトン・ホテルの従業員が、
名刺サイズに折りたためる「クレドカード」を常に携帯し、
共有された価値観を実践しているというので広く知られることとなりました。
実践できる形状になったツールである点が重要です。
シンプルながらも具体的に、
行動指針としてわかるように記されているのです。
クレドを与えられた従業員は、
自己の行動を常にそれに照らし合わせて考えて選択する習慣がつくられます。
ある意味、
経営指針書の濃縮パッケージ版と言えなくもないでしょうか。
というわけで、
いろいろ長々と書いてきましたが、
確乎不抜なよりどころを組織に定着させるためには──
まず経営理念をつくり、
それに沿ったミッションを社会に向けて宣言し、
内外のステイクホルダーに中長期ビジョンを示し、
覚悟を決めて経営トップとしてのコミットメントを発表し、
それらすべてを網羅した経営指針書が完成したら、
その実践習慣をつくるために要旨をクレドに落としこむ。

──と、
こんだけやったら満点じゃないでしょうかぁ~” “(/*^^*)/
やりすぎ(ё_ё)?