MG(マネジメントゲーム)のすすめ

経営が苦しくて資金がないときでさえ、マインドを萎縮させず積み増しすべき固定費があります。 利益は結果としてもたらされるものではなく、経営者がはじめに意図してつくっておくものだと理解させてくれる。 そんな素敵なMG(マネジメントゲーム)とは何でしょう。

photo:相澤誠

経理がわかり、経営がわかり、戦略がわかる

経営が苦しいとき、
ただでさえお金がないときに、
>いま、この投資を減らしてはいけない
と気づかされる。
利益は結果としてもたらされるものではなく、
はじめに意図してつくるものだと理解させてくれる。
そんな素敵な遊び、
MG(マネジメントゲーム)とは何か。
 ビジネスゲームの一つ。昭和51年に西順一郎がソニーCDIで開発。経営教育の手法。チ-ムで行なうのでなく、「一 人経営」型をとる。そのため、負荷は大きいが、効果も抜群である。
 ハードとしては、「モノポリー」「人生ゲーム」「プレイボス」等をベースにした企業ミニチュアを使う。「情報システム」として企業会計原則・原価計算基準を本格採用したアカデミックな会計システムを備えているのが特徴。
 さらに、ゲームに思想と科学と作者の企業体験をもりこむことで、受講者は、企業の大ワク、利益の構造、活きた経営学、活きた会計学を身につけることができる。
 知識教育でなく、能力の涵養を主眼とするため、「理入」(知識教育)でなく、「行入」(体験学習)を基本とする。
 理論コース・インストラクターコースとして「シニアコース」がある。全国にファンや成功企業が多い。
株式会社 西研究所 のホームページより

こんなとこでわたしがヤワ~くおすすめしなくてもね、
MG信奉者は山ほどいますがね、
わたしなりの感想も言っておきたいので書きますね。
MGっちゅうのはですね、
経理や経営が学べるとてもよくできたゲームです。
5~6人でひとつの卓を囲み、
真ん中に円形のマーケット盤を置いて、
参加者ひとりひとりが経営者になって、
1期(1年)の経営を30~40分かけてゲームで体験する。
ゲームなのに、
実際の経営では体験できないこと(その最たるものが倒産)まで経験できる、
という意味では、
創業何十年のベテラン経営者が参加しても学びは深い。
人を雇ったり設備投資したり、
材料を仕入れて商品の製造もやったりするのはもちろん、
倉庫の火災に備えて保険に入るとか、
宣伝広告費や研究開発費を使って商品の付加価値を高めるとか、
そういう意思決定を次々と下さなければならない。
このゲームを「25期」やると「経理がわかる」と言われています。
25年かかるという意味ではありませんぞ(ё_ё)
2日間で会社設立から第5期まで進むんですが、
第1期は型どおりの練習なので、
自分のやったゲームの「期数」としては「4期」と数えます。
6~7回このゲームに参加すれば、
経理がわかるって意味ですね。
それはまったくそのとおりです。
簿記の学校に行って教わる「仕訳」中心の学び方ではなくて、
ゲームでお金のやりとりが発生するそのすべての取引を記録し、
1期ごとに「決算」するという実務を通じて
最短最速で経理がわかります。
複式簿記っていうのは左右に「借方」「貸方」として分けるもんなんですが、
その貸方のほうをグイ~ッと90度広げたやつがマトリックス会計だとわかれば、
「貸借対照表」の読み方もわかるでしょう。
さらにこのゲーム、
「50期」「経営がわかる」ことになってますL(・o・)」
そんな大それたこと言って経営の神さまに叱られませんかね?
いや、だいじょうぶ。
そのとおりだと思います。
だからといって「経営ができる」とは言ってませんからね。
資本金があって借入をしてキャッシュをこんなふうにまわして利益を出す‥‥
っていう経営の起承転結がわかるのは確かです。
さてここで、
MGに参加されるときにぜひ意識していただきたいのが、
利益計画づくりの順序
です。
一般的に経営がしんどくなってくると、
やれ経費の節減だとか、
リストラだとかを言い出しませんか?
あなたの思考はどうですか?
家計だっていっしょなんですけど、
給料が下がっちゃったから、
あれを削ってこれも抑えて‥‥と考えはじめません?
その思考回路が来期以降の利益計画にそのまま反映しますね。
あなたがワンマンじゃないとすると、
役員の思考癖の総和が反映する。
どうでも「萎縮の道を行く」というなら止めやしませんけどね、
コンパクトな経営がダメっていう意味ではなく、
そこのところのマインドの向きは慎重にチェックしてくださいよ。
MGでは、
利益を先に決めるという順序を教わります。
決めた利益を達成するために固定費をかけるんだという発想を教わります。
あなたの決算書にはない「戦略費」っていう科目分類が存在するんです。
「事業経営は逆算である」(一倉定)
という言葉もありますが、
利益は社長の思考の中ではじめにつくっておくもの。
経営がスタートしたときにはすでにできあがっているもの。
まさにそこのところがMGで体感してほしいことのキモ中の肝であります。
そのためには「商品を何個、いくらで売らなあかんか」とわかる。
そのためには、
「どんな生産体制が必要か」「人員は何名必要か」
「材料はいくらで仕入れるか」
‥‥とわかる。
そのためには‥‥
そのためには‥‥
と、
わかる。
つまりこれって、
想いが現実化する
っていうアレですよ、アレ。
パッと見、
数字しか書いてない利益計画なんですが、
実はそこもまた経営者の想いの結晶なわけなんです。
だから、
数字のところをごまかしている経営指針書っていうのはすぐにわかりますね。
理念のところでは「社員のしあわせを」とかなんたらかんたら書いてあるのに、
利益計画の福利厚生費を見てみたら3年後には1割ダウンしているとかね。
利益計画づくりの苦手な経営者がよくやる、
いちばん安直な利益計画っていうのは、
前期の決算書を眺めながら、
各科目の数字を一律5%ずつアップしておく‥‥みたいなやり方ですね。
もっとズルいのになると、
売上原価と費用の数字は据え置きで、
それ以外だけ5%アップするとかね、
そうすると利益は昨年対比で120%達成!!
‥‥みたいな。
そんなセコい経営者こそMGで目覚めてください。
「75期」やれば「戦略がわかる」ことになってますから。
ああすりゃこうなる、こうすりゃああなるっていう因果の法則をいくつも積み上げることで、
じゃあ「ああなりたければ、こうすりゃええじゃん」がわかるってことなんです。

MG100期で人間が変わる!

ですから!
(1)経常利益
実際の利益計画を作成するときには、
まず経営利益の欄に想いのこもった数字を入れてください。
先に売上高を決めるんじゃないってことですよ!
会社にとって売上高がめちゃめちゃ大事だってことは百も承知で言いますがね、
まだそこ埋めちゃダメなんですよ。
とはいえ、
いきなりじゃあいくらに決めたらいいかわかりませんよね。
慣れないうちは前期の2割増しでもOK。
「これで借金が返せる!」っていう額でもOK。
その想いが最強ならそれがベストです。
(2)固定費
次に固定費を決めていくわけなんですが、
特に大切な人件費を決めます。
「戦略費」という概念もぜひ実際の経営に取り入れてください。
その他もろもろの経費、
減価償却費の欄も埋め、
固定費の合計を出します。
望んだとおりの利益を実現するために、
ここに想いをこめるんです。
資源配分に経営理念が反映するはずです。
ここに反映しない理念はウソっぱちってことになります。
人を採用するのか、
まさかリストラをやるのか、
育てていくのか、
単純労働でいいいのか、
そんな価値判断が人件費となってあらわれます。
(3)営業利益
営業利益を決めます。
すでに経常利益と固定費が決まっているので、
ここで営業外収益と営業外費用を決めれば営業利益が算出できます。
経常利益が何で、営業利益とどうちがうか?
みたいなこともMGやってるうちにわかりますからね。
(4)売上総利益
営業利益が決まると、
これにさっきと固定費を足して、
売上総利益が求められます。
みなさんよくごぞんじのアラリってやつですね。
粗利益から固定費を引いた残りが営業利益になるわけですから、
反対に言うと営業利益に固定費を足したものが粗利益です。
「アラリをいくらにしよう」とここで考えることはありません。
単純な足し算で出てくるものです。
(5)売上高
次にようやく売上高を決めていきます。
ここまで来ると「決める」というよりも「決まっていく」感じですね。
この段階では、
「付加価値率」というちょっとむずかしい指数が重要です。
利益計画における売上高は、
売上総利益を付加価値率で割って算出します。
≪≪
付加価値率ですが、これについては、
過去の実績推移
及び
将来の自社・サービスの競争力から見積もることになります。

≫≫
≫中小企業家同友会全国協議会「経営指針作成の手引き」から
ちょっとむずかしくなるんですが、
付加価値額とは、
会社が保有するヒト・モノ・カネでどれだけの価値を生み出しているか
を図る指標で、
売上高から他社への支払いが伴う費用を差し引いて算出
します。
会計的に言うと
売上高から、
商品・原材料などの仕入額

外注費、修繕費、水道光熱費、広告宣伝費、支払手数料など外部業者への諸経費

控除した額

です。
これを言い換えると
 付加価値額 =
   経常利益+人件費+支払利息-受取利息配当金+租税公課+減価償却費+賃借料

となりますが、
言い換えたらよけいむずかしくなるので無視していただいてもけっこうです。

自社広告です

粗利と限界利益と付加価値がどうちがうか、
また別の機会に取り上げましょう。
いや、それより、
MGに参加したらその日の夜の交流会で教えてもらうといいでしょう。
ま、
とにかく過去の実績をもとに自社の付加価値率を求めておき、
売上総利益を付加価値率で割って売上高を算出します。
──利益計画づくりのあらましは以上です。
数字のひとつひとつに想いのこもった、
すばらしい利益計画ができあがることを心からお祈りしています。
その利益計画はきっとそのまま現実になるでしょう。
いや、そのころには、
想いどおりの利益よりももっとすばらしいものが見つかってます。
MGは「100期」やると「人間が変わる」そうですからね。
えっ?
わたし?
それはナイショです(≡^∇^≡)