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なんのために仕事をするのか?

社員に対して不信感が募るとき
や、
がっかりさせられたとき、
そもそもゲーム

やってみましょう。
たとえば今日、あなたが、
社員と口論になったとします。
仮に
資材部の平野さんが相手だったとしましょう。
あなたは納期遅れを問題にしていた。
平野さんにもう少し自覚と責任感があれば、
まにあうはずの納期だった。
けれど平野さんが口走った
>必要な薬品が届かなかったんだから、
>しかたがないじゃないですか。

の、ひとことに、
あなたはカチンと来てしまった。
おい、ちょっと待てよ。
こいつ、
何年オレの部下やってんだ?
しかたがないとはなんだ。
まにあいそうにないとわかったら、
その時点でオレに報告して他の部署に応援を頼むとかすれば
なんとかできたじゃないか。
それをボサッと見逃すとはいったいどういう‥‥
!!
いちどブチッと切れた心の線は、
なかなか戻らない。
責めて、責めて、責めて‥‥
叱られたほうも傷を負ったでしょうが、
怒ったあなたもしんどい。
はい、ここで、
そもそもゲームです。
ちょっと待てよ、
そもそも納期を守ることが大切なのはなぜだ?
納期に遅れるってことは、
会社どうしの約束を破るってことだ。
そんなことをしたら信用がなくなる。
いや、ちょっと待てよ、
信用が大事だってことはわかってるけど、
そもそもウチは信用されてるのか?
いやちょっと待てよ、
それじゃあまるで納期を守るのは自分のためのように聞こえるぞ。
約束の期日に材料が届かなくて困っているのはお客さまのほうだ。
そもそもこの材料はなにを作るためのものなんだろう?
今回の納期遅れでどのくらい相手方に被害が出るんだろう?
そもそも平野はそのへんのことをわかってたんだろうか?
いや、そもそも、
お客さまを大切にしなければっていう気持ちはあるんだろうか?
そもそも‥‥
そうなんです。
ほんとうに今回の納期遅れが、
取引先にどのくらい迷惑をかけて、
あなたの会社がどのくらい信用を落としたか、
そんなことはあなたはまだ調べてないわけです。
平野さんから詳しく事情を聞くこともしてない
そもそも、
平野さんがどんな気持ちで仕事に相対しているかに興味がない
そもそも社員と取引先とどっちが大切ですか?
納期が大事なのは百も承知で言いますが、
社員との信頼関係も大事です。
どっちがどれだけ大切かっていうことを、
きっちり決めてどっかに書いたものがありますか。
そもそも平野さんにとって、
この会社の存在ってどんなもんなんでしょうか?
そもそも仕事にやりがいを感じてないかもしれませんよね?
そもそもあなたは、
なんのために仕事をするのかってことを、
社員と本気で話しあったことがありますか?
‥‥とまぁ
こんな感じで、
目線をぐーっと上げていきます。
鳥になった気分で、
フッと舞い上がってください。
空から、
あなたのいる場所を見下ろしてみましょう。
そもそもあなたは、
なんのために会社を経営しているんですか。
いや、そんなことより、
そもそも平野さんは、
なんのためにあなたのいる会社に来て仕事をしているんでしょう。
会社なんて他にいくらでもあるんですがね。
事情はともかく、
そんなふうに社員を叱りとばすことで、
なにか物事が改善しますか。
天に向かって伸びるエスカレータに乗って、
上へ、上へ‥‥。
かなり高いところまで来ましたね。
そこから下界を見下ろしてください。
そこに自分の姿が見えますか。
平野さんと口論している、
あなた自身がそこにいますか。
あ、余談ですが、
要は大所高所から物事を見るってことなんですけど、
こんなふうに高いところから見下ろすときに、
自分自身の姿がそこに入っているか入ってないか
ちょっと意識してみてください。
よく「相手の立場で物事を考える」っていいますけど、
これは相手について考えるのとはちがいますよね。
相手の立場になると、
見えてくるのは自分自身の姿です。
相手の目線で相手が見ているものと同じ景色が見えてくるんです。
これは、
経営のスキルとは直接関係しませんが、
知っておくと経営にも断然いい影響の出る心のスキルです。
よく似たスキルがもうひとつ。
もうひとりの自分を見つけるスキルも、
身につけておかれるといいですよね。
はじめはむずかしくても、
だんだん習慣化していってください。
さて、
こんなふうに自分を高い位置へ運んでゆき、
マクロ的な視野で事象を眺めてみます。
売上が2倍だろうが3倍だろうが、
資産が1億あろうが100億あろうが、
人に恵まれなければどこまでも不幸‥‥。
小さいなぁ、自分‥‥
そんなふうに感じてきたら、
そもそもゲームの第一段階は成功。
相手に向いた意識、
目の前の現実に張りついた執着を、
スッと転換して別の方角へ飛ばしてしまう効果がおわかりいただけましたね。
なんのために仕事をするのか?
ときどきそういう根源的なそもそもを問いかけてみましょう。
社員に、
そして、自分自身に。
社員さんはそもそも、
なんのために仕事をしてくれているんだろうか?
それに対して自分は、あるいは会社は、
何をしてあげているんだろうか?
そもそも、
お金を稼ぐのはなんのためだ?
夢は何かな?
子どものころ、何になりたかった?
やってて楽しいこと、
いちばん好きなことってなんだ?
大切にしているものは?
キミとって家族ってなんだ?
5年後、10年後、
どんな人生を送りたいと思っているのかな?
そもそも、
どんな人間になりたいんだい?
‥‥L(・o・)」
どこまでもそもそもを突きつめる。
自慢じゃないですが、
わたしはそういう質問にパッと答えられるんです。
あなたの会社の「強み」は?
‥‥って急にきかれても即答できる。
これはやっぱり、
何回も経営指針書をつくって、
それで会社のPDCAをまわす習慣がついているおかげでしょう。
理念や方針を言葉にあらわして、
それを社員に伝えようと努力してきた結果だと思うんです。
12期からはじめた経営指針発表会もすでに5回。
毎年ゲストを招き、
かなりのプレッシャーを自らに課して経営指針を練ってます。
いま、なぜ、会社は、
そっちの方向へ進もうとしているのか?
社員だってアホじゃないんで、
社長が本気じゃなかったら見抜いてしまうでしょう。
そのかわり社員に向かって、
>楽しく仕事をするってどういうことだ?
とか、
>成果とはなんだ?
って、
こっちからも鋭く斬りこんでいきます。
>こんな安い月給で毎晩遅くまで残業させられて、
>なんか将来に希望あるんスカ?

な~んて、
世間知らずのこましゃくれた新入社員どもが、
口には出さずとも心の中でグチグチ言う季節です。
ほんとうは大企業に入りたかったくせに、
どこからも内定がもらえず、
しかたがなしに中小企業に入りました‥‥っていうヤツほど、
ふてくされた態度でしんどそうに会社に出てきます。
どこそこの商社に入った自分の友だちは、
何か月も研修ばっかりで仕事らしい仕事してないのに
そのくせ給料は自分よりめちゃくちゃ高いんですよぉ~
とか。
それがどうした?
‥‥ってことなんですけど、
そんな若ゾウどもにいちいちかかずらう必要ないでしょ。
日にち薬ってやつで時間が経てばわかる。
バッサリ斬るにもまだ早い。
2年か3年の後には、
やっぱり中小企業がよかったと実感するときがきます。
大きいとか小さいとかは問題じゃなかったと
しみじみわかるときがきます。
この会社に入ってほんとうによかったです!

言わせてみようじゃないですか。
そのためのそもそもです。
試しにひとつ、
いま書いてみましょうかw(゚o゚)w
はい、あなた、
「なんのために仕事をするのか?」
を、
200字くらいでまとめてみてください。
このサイトに来てこのページを開いてしまったのも何かの縁。
やるからには真剣にやりましょう。
はい、どうぞ。
書いたら今日の日付を入れておきましょうよね。
こんなふうに社員さんたちにも、
いろんなそもそもを書いてもらってください。
ひとりでも多くの社員さんから、
幹部社員は全員を対象に、
できるかぎりそもそも度の高い文章を集めて、
経営指針書に載せてしまうことをおすすめします。

行動目標を書かせている会社はたくさんありますが、
目的と手段の混乱に陥らないために
ときにはそもそも度を上げてやる必要があるんです。
だから年に1度の経営指針書を使って、
そのそもそも度の高い想いを活字にして残しておく。
何年かたってから見返すと、
ぜんぜんちがってたりしておもしろいですよ。
自己発見の宝庫になることまちがいなし。
それが後に
ものすごく大きなパワーの源泉になります。
そもそも度の低い行動目標を書かせるより、
社員の参画意識を高めることになるのはまちがいないですし、
そんな経営指針なら全社に浸透するのも早いですよ。
(≡^∇^≡)
経営者たるあなたは、
もっといろんな角度から、
自分を鍛えておく必要があるでしょうね。
経営指針書を全社的、定期的にブラッシュアップして、
行動計画に落としこんでPDCAをまわしていても、
それでもまだときどき混乱してよくわからなくなることがあります。
そういうのを「ブレる」っていうんでしょうけど、
ぐらぐらしない人はごく少数派なんです。
自主的社員ってどんな社員?
とか、
自立型企業ってどんな企業?
とか、
よく中小企業家同友会のバズテーマにも出てきますけど、
ちょっとちがう言葉で変化球を放られると、
たちまち答えられなくなったりします。
こんなふうに、
会社の中のいろんなそもそもを、
問いかけて問いかけて、
考えて、考えて、答え続けて、
文字に書いてぎっしり詰めこんだものが、
経営指針書であると言えるでしょう。
そもそもの突きあたりにあるものが経営指針書です。
じゃあそもそも
経営指針書はなんのために作るの(ё_ё)?

──その答も経営指針書の中に書いておくように。
こうすると少なくともアタマは楽になりますね。
自分だけじゃない。
職場で働くみんなのアタマが楽になる。
Q.
そもそもこれって、
なんのためにやってる仕事なんですか?

──ハイ、
答は経営指針書に書いてます。
Q.
友だちに「なんの仕事してるんだ?」ってきかれたら、
なんて答えたらいいですか?

──ハイ、
それも経営指針書に書いてます。
Q.
お客さんからのクレームで戻ってきたこの商品の補修は、
今日の計画には入ってませんけど、
残業させてでも先にやるべきですか?

──ハイ、
経営指針書にクレーム時の対応方法が書いてあります。
Q.
同じように毎日会社に来てるのに、
わたしの給料が同僚のAくんより低いのはなんでですか?

ハイ、
──まずは経営指針書の人事評価についての方針をよく読んでください。
Q.
わたしはなんでこんなに太っているんでしょう?

──はい?
さすがにそこまでは、
経営指針書を見ても載ってませんね。
いいでしょう。
社員ひとりひとりの生活を支えているのは会社なのに、
会社の外で起こっている個人生活まで干渉できないかもしれません。
でも、
そもそもゲームの習慣をシェアすることはできる。
究極のそもそも──
そもそも、
あなたがたはなんのために生きているのか?

と、
そう尋ねてみよう。
>自分の意思で生まれてきたわけじゃないのでぇ、
「なんのために」なんてきかれてもわかるわけないけどぉ、
>まわりもみんな生きてるんでぇ、
>なんかぁ、
>あたしも生きてかなきゃいけないのかな~っていう感じがしてぇ‥‥
>しかたがなしに生き続けているだけ。

L(・o・)」
そんなふうにシラッと答える若ゾウが実際にいるので、
びっくりしてしまいますけども、
よくよく考えてみたら、
わたしのまわりの二代目経営者さんにこれといくらも変わらないのがいるんだなぁ。
>わたしはぁ、
>親父がやってた商売をぉ、
>子どものころから継ぐのが当然だっていう空気で育てられたのでぇ、
>別に自分自身がこの仕事をしたいかしたくないかとか考えたことはなくってぇ、
>ただそれが宿命だと思ってやってますぅ‥‥

L(・o・)」
みたいな。
あなたはだいじょうぶですか?


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